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事業プランニング契約書作成のポイント

事業プランニング契約書に最低限規定すべき事項


 個人クライアントを対象としたファイナンシャルプランニングと同様、法人クライアントを対象とした事業プランニングの成果物は、目に見えないものであるという特徴があります。加えて、一般的に収支の構造が個人より複雑な法人を対象とする事業プランニングでは、ファイナンシャルプランニング以上に詳細な条文規定が必要となります。そのため、契約書作成の重要性も増大することとなります。事業プランニングの過程及び成果物を巡るクライアントとの紛争を防止するために、事業プランニング契約書には、以下の事項を最低限規定する必要があります。

1.  当該事業プランニングの目指す成果
2.  具体的な業務の提供方法及び回数
3.  委任契約か請負契約かの規定
4.  再委託の可否
5.  業務の報告頻度及び報告方法
6.  委託者の協力義務
7.  成果物の納期
8.  成果物に対する客観的な検査基準
9.  検査期限
10.  費用の負担者の明確化と金額及び計算方法
11.報酬の計算方法
12.情報保護
13.免責・成果の不保証
14.損害賠償

※上記の事項に関する詳細な説明に関しては、下記に記述してまいります。

事業プランニング契約書に最低限記載すべき事項詳細

1.当該事業プランニング業務が目指すべき成果
 クライアントとの紛争を防止するために、必須の事項です。民放改正により、契約解除や契約不適合責任に基づく請求をする場合に、契約の目的が最重要視されることになったことから、必ず定める必要があります。

2.具体的な業務の提供方法及び回数
 FPの方々は、クライアントに事業プランニングを提供する際、クライアントを月数回訪問したり、場合によっては、クライアント先の企業に一定期間常駐する等、提供する事業ぷラニングの種類によって、様々な業務の提供方法をとっておられると思います。この事項を明確に規定しておくことで、クライアントに事業プランニングの具体的なイメージを持ってもらいやすくなります。

3.委任契約か請負契約かの規定
 委任契約は、システムのメンテナンスやビルの管理等の行為の実施に対して対価が支払われる契約であり、請負契約は、建物の完成のような目的物の完成と引き換えに対価が支払われる契約です。事業プランニング契約の場合、クライアントに提供する業務によってどちらになるかは異なると思いますが、事業プランニングがその性格上、「クライアントの望む成果を絶対に達成できる」という物ではないことが多い以上、その大半は委任契約(厳密には法律行為以外の業務の遂行そのものを委託するので準委任契約)になります。

4.再委託の可否
 クライアントは、FP企業またはFP個人を信頼して事業プランニングを依頼していると思います。そのため、クライアントに無断で他の企業等に業務の一部を委託することは、トラブル防止の観点から好ましくありません。そのため、契約書に業務の一部を外部に委託する旨の規定をしておく必要があります。

5.業務の報告及び報告方法
 業務の報告は、「月〇回報告」等と規定します。報告方法については、「メール又はFAXで」等と規定します。

6.委託者の協力義務
 FPが円滑に業務を遂行するために、クライアントにFPの求めに応じ、資料の提示等の協力義務を課す規定です。この規定は、FPがクライアントに業務遂行への協力を求める根拠とすることができます。

7.成果物の納期
 事業プランニング契約書では、成果物の納期は、当該プランニングの実施日又は実施期間に成果物の納期を設定します。どちらが最適かは、当該プランニングの性格によって異なることとなります。

8.成果物に対する客観的な検査基準
 事業プランニング契約においては、一般的に成果を保証するものではありませんが、クライアントとの紛争を防止するためには、成果物に対する客観的な検査基準を契約書に規定しておく方が望ましいでしょう。

9.検査期限
 クライアントに成果物を納入したものの、長期間、合否の連絡がないという事態を避けるために必要な規定です。クライアントがコンサルタントに対し、「成果物納入後〇日以内に合否の連絡を行う」義務を負うと規定します。

10.費用の負担者の明確化と金額及び計算方法
 「3.委任契約か請負契約かの規定」の項目とも関係してきますが、民放上、準委任契約では、費用の負担はFP側ではなく、クライアント側が負うことになります。一方、仕事を完成させる義務を負う請負契約ではFP側がこれを負担することとなります。しかし、クライアントとの費用負担を巡るトラブルを回避するためには、契約書に「○○の場合の費用については、○○が負担する」と個別具体的に定めておくほうが望ましいでしょう。

11.報酬の計算方法
 報酬の計算方法は、事業プランニングの提供方法によって異なります。具体的には、一定期間ごとに報酬が発生する顧問方式、月ごとに本件業務に従事した人数および時間によって報酬が発生するタイムチャージ方式、成果の達成によって報酬が発生する成果報酬方式があります。

12.情報保護
 一般的に、クライアントの機密情報がFPを通じて外部に流出することを防ぐために、情報保護に関する規定が置かれます。一方、FP側が有する技術や知識、各種のノウハウがクライアントから外部に流出することを避けるためにも当該規定は有用です。そのため、双方に対して守秘義務を課す必要があります。

13.免責・成果の不保証
 通常、契約書で免責・成果の不保証の項目を規定していなくても、民法上、FP側が事業プランニングの結果に責任を負うことはありません(FP側に手抜きやミスがあれば別です)が、クライアントとの結果を巡る紛争をより確実に防止するためには、この項目に関する規定がある方が望ましいです。

14.損害賠償
 事業プランニングの過程及び結果、FP側及びクライアント側のいずれかに損害が発生した場合に、想定外の損害賠償責任を負うことのないようにするために、必要な項目です。当事者の一方が「契約の解除、解約又は本契約に違反することにより、相手方に損害を与えたときは、前月の委託料の〇〇%を上限としてその損害を賠償しなければならない」等と規定します。

事業プランニング契約書に規定することが望ましい事項


 以下は、事業プランニング契約書に記載することが望ましい規定です。

1.  不可抗力
2.  反社会的勢力の排除
3.  合意管轄

※上記の事項に関する詳細な説明に関しては、下記に記述してまいります。

事業プランニング契約書に規定することが望ましい事項詳細

1.不可抗力
 地震や風水害等の自然災害が多発する昨今、突発的な出来事によって契約の履行が不可能となる事態も考えられます。この規定を契約書に置くことで、突発的な出来事の発生による契約の履行不能に対する債務不履行責任を問われる可能性を排除できます。

2.反社会的勢力の排除
 コンプライアンス重視が社会の潮流となる中、FPの皆様を反社会的勢力の不当な要求から守るためにも、契約書に規定しておくことが望ましい条項と言えます。

3.合意管轄
 クライアントとの間で裁判上の紛争が生じた際、第一審の専属的合意管轄裁判所を定める規定です。裁判による負担を考慮すると、自己の本店所在地を管轄する裁判所を専属的合意管轄裁判所に定める方が有利です。
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